特集 小児呼吸器――最近のトピックス
2.マクロライド耐性マイコプラズマとの攻防
-――発見から流行・衰退の20年史
成田 光生
1
1札幌徳洲会病院小児科
キーワード:
PPLO培地
,
薬剤感受性試験
,
最小発育阻止濃度(MIC)
,
Qプローブ法
,
周期的流行
Keyword:
PPLO培地
,
薬剤感受性試験
,
最小発育阻止濃度(MIC)
,
Qプローブ法
,
周期的流行
pp.825-832
発行日 2022年8月1日
Published Date 2022/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000002244
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2001年初頭,「先生,マクロライド耐性菌が出ました」と神奈川衛生研究所(当時)の岡崎則男氏から第1報が入った.前年の12月に札幌で分離されたマイコプラズマが,野性株としては過去に例のないマクロライド耐性菌だったというのだ.岡崎氏の反応も存外冷静であったし,筆者もこの時点ではことの重大性を認識できず,この先の20年間で世界のマイコプラズマ学の教科書が書き換えられる事態に発展するとは夢想だにしていなかった.本稿では,耐性菌の栄枯盛衰を縦糸に,それとは別の次元の現象としての2度の大流行を横糸に,この「歴史的な」20年間について記す.
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