[連載] 最近の外国業績より
免疫
日本医科大学小児科学教室
pp.692-695
発行日 2022年6月1日
Published Date 2022/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000002200
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
背 景 IgA血管炎(IgAV)は小児に高頻度に起こる血管炎であり,一般的に予後良好であるが再発率が高い.IgAVの病態は不明なことが多く,ガラクトース欠損IgAがかかわるほか,獲得免疫および自然免疫細胞が病態形成に関与しているといわれる.制御性T細胞は多くの自己免疫疾患や慢性炎症性疾患の病態に関与し,とりわけ1型制御性T細胞(Tr1)はIL-10やTGF-βの分泌により免疫寛容を維持している.Tr1の同定方法が確立され,多くの免疫介在性炎症性疾患へのTr1の関与が報告された.またIL-27は抗炎症サイトカインでTr1の分化誘導を促進するとされる.本研究ではTr1によるIgAVの病態形成への可能性に関して検討した.
Copyright © 2022, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.