[連載] 最近の外国業績より
免疫
日本医科大学小児科学教室
pp.632-635
発行日 2025年6月1日
Published Date 2025/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000003490
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背 景 若年性特発性関節炎(JIA)に関連するぶどう膜炎(JIAU)は,視力障害を引き起こす可能性がある深刻な合併症である.JIAUはJIA診断後4年以内に発症することが多く,とくに少関節炎やリウマチ因子(RF)陰性多関節炎患者での発症率が高い.JIAUの早期発見と適切な管理は視力障害の予防に不可欠である.現在のスクリーニングガイドライン(BSPAR 2006,ACR 2019)では,抗核抗体(ANA)陽性,JIAの発症年齢(AAO),ILAR分類によるJIAの病型,性別などが臨床的リスク因子として挙げられている.しかし,JIAUは多因子性疾患であり,環境要因とともに遺伝的要因が関与しているため,新たなバイオマーカーや遺伝子型の情報を取り入れたリスク分類が求められている.とくに,HLA-DRB1のアミノ酸11番目の置換がリスク因子として注目されている.本研究の目的は,新たな遺伝的リスク因子を特定し,臨床的リスク因子と統合することで,より高精度なリスク分類モデルを開発することである.

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