増大号 検査血液学レッスン 検査結果の乖離をどう判断するか
1章 血算
偽性血小板減少症の鑑別—ITPと診断する前に除外すべき疾患
高野 勝弘
1
1山梨大学医学部附属病院輸血細胞治療部
キーワード:
偽性血小板減少症
,
エチレンジアミン四酢酸凝集
,
EDTA凝集
,
特発性血小板減少性紫斑病
,
ITP
,
先天性血小板減少症
,
遺伝性血小板減少症
Keyword:
偽性血小板減少症
,
エチレンジアミン四酢酸凝集
,
EDTA凝集
,
特発性血小板減少性紫斑病
,
ITP
,
先天性血小板減少症
,
遺伝性血小板減少症
pp.1116-1119
発行日 2022年10月15日
Published Date 2022/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542203114
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血小板減少症の病態
血小板は骨髄の巨核球によって産生される.巨核球は多倍体を有する巨細胞であり,巨核球系細胞の分化,成熟は肝臓および骨髄のstromal cellにより産生されるトロンボポエチンという増殖因子によって制御されている.巨核球の成熟時間は約5日と推定されており,末梢血に放出されてからの血小板寿命は約7〜10日,正常な末梢血血小板数は約15〜35×104/μLである.
血小板減少は多様な疾患において認められ,その原因は①血小板破壊亢進や消費,②血小板の産生低下,③先天性血小板減少症,④血小板の分布異常,⑤血小板の喪失または希釈に分類できる.
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