特集 小児科医に必要な止血・血栓・凝固・線溶の基礎知識
4.炎症の指標としての凝固・線溶系検査
岡本 奈美
1
1労働者健康安全機構大阪労災病院小児科
キーワード:
サイトカイン
,
組織傷害
,
組織修復
,
再生
,
瘢痕化
Keyword:
サイトカイン
,
組織傷害
,
組織修復
,
再生
,
瘢痕化
pp.1628-1635
発行日 2021年12月1日
Published Date 2021/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000002007
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組織傷害や微生物の感染が起こると,生体は炎症応答により異物の除去・処理を行って,組織を修復(再生・瘢痕化)しようと働く.その際,傷害組織局所に形成された血栓の下で肉芽形成→リモデリングが起こり,無事組織が修復されると血栓は溶解して処理される.近年,この凝固・線溶系の一連の経過によっても炎症が惹起されることが判明し,凝固・線溶系と炎症は互いに関連しながら組織修復へと向かうことが判明してきた.本稿では,組織傷害・組織修復の観点から炎症と凝固・線溶系を俯瞰し,臨床においてどのようにデータを評価すべきかを考察する.
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