[連載] 最近の外国業績より
アレルギー
日本医科大学小児科学教室
pp.979-982
発行日 2021年9月1日
Published Date 2021/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001847
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背 景 食物アレルギー(FA)や気管支喘息(BA)等の罹患率は世界的に高水準で,とくにFAは急増している.いまだにFA診断への精度の高いバイオマーカーは存在せず,効果的な治療法も確立されていないため食物除去が主となっている.アレルギー疾患は免疫学的機序のみならず,遺伝的要因,エピジェネティックな要因,環境的要因の相互作用で成り立つ複雑な病態で,疾患のなかでも不均一性が生じる.ノータゲットメタボロミクスプロファイリング(UMP)はこのような複雑な病態を代謝産物から関連する代謝経路で分けて解析することができる有用な手法で,病態の解明と治療法の開発に用いられている.この方法を用いた解析はBAでの報告はあるがFAでの報告はほとんどない.本研究では,FAの病態に関連する代謝産物を同定するためUMPを試みその特徴を分析した.
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