[連載] 最近の外国業績より
アレルギー
日本医科大学小児科学教室
pp.958-961
発行日 2023年9月1日
Published Date 2023/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000002698
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背 景 IgE依存性食物アレルギー(FA)では好塩基球や肥満細胞の細胞表面に発現する高親和性IgE受容体(FcεRI)を介してアレルギーカスケードが活性化する.アレルゲン特異的免疫療法[経口免疫療法(OIT)]は食物耐容量を増加させ症状出現のリスクを低減させることが可能である.しかし長期で,アレルギー反応を誘発するリスクを伴い,治療用量の判断は専門施設で行う必要がある.近年,抗IgEモノクローナル抗体であるオマリズマブ(OMA)の単剤およびOIT併用療法(OMA+OIT)がIgE依存性FAにおいて評価されている.OMAはIgE抗体と結合しFcεRIとの相互作用を阻害することで,ヒスタミンなどの放出を抑制する.そのメカニズムからOMAはIgE依存性FAの治療に応用できる可能性がある.IgE依存性FAに対するOMAを検討した研究は数多くあるため,今回のメタアナリシスではIgE依存性FA患者を対象にOMA単剤およびOMA+OITの有効性と安全性を検討した.
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