目で見る小児科
青年期に腎結石を合併した腎盂尿管移行部狭窄の女児
本山 治
1
,
宍戸 清一郎
2
1東邦大学医療センター佐倉病院小児科
2東邦大学医療センター大森病院腎臓科
pp.767-768
発行日 2021年8月1日
Published Date 2021/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001803
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現病歴:胎児エコーで右水腎症を指摘されたが,羊水過少はなく,正期産で出生した.出生後,経静脈性腎盂造影で腎盂尿管移行部狭窄と診断された.膀胱造影で膀胱尿管逆流はなかった.4か月時と1歳時にフロセミド負荷レノグラムを行い,分腎機能低下はなく,保存的に経過観察した(図1).乳児期以降は年1回の超音波検査で腎形態を観察し,腹痛や尿路感染症もなく経過したが,16歳時に複数の右腎結石形成を認めた(図2).腹痛,尿路感染症,分腎機能低下,内分泌・代謝異常はなく,経過観察となった.レノグラムでの右分腎機能は4か月,1歳,18歳時に各々48.0%,47.2%,46.2%であった.22歳時には血圧100/60mmHg,血清クレアチニン0.46mg/dL,eGFR 146mL/分/1.73m2,血尿・蛋白尿なし,尿中カルシウム/クレアチニン比0.07mg/mg,超音波での腎サイズは左112×43mm,右144×53mmで,結石の増加や増大はない.間欠的に右側腹部腫瘤を触れることがあるが,腹痛や血尿を伴わず,間欠性水腎症として経過観察中である.
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