増刊号特集 泌尿器科画像診断
Ⅲ.疾患別画像診断
4.先天異常
(2)尿管
腎盂尿管移行部狭窄
並木 一典
1
,
三木 誠
1
Kazunori Namiki
1
1東京医科大学泌尿器科
pp.228-232
発行日 1999年3月30日
Published Date 1999/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413902595
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1 はじめに
腎盂尿管移行部(ureteropelvic junction:UPJ)狭窄は,多くが先天性である。本疾患による水腎症は,先天性の上部尿路通過障害のうちでは最も頻度が高い1)。古くは,腹部腫瘤,腹痛,発熱など水腎症による併発症状で発見されることが多かった。しかし,近年では胎児期を含めスクリーニング検査などにより,無症状のうちに発見される例が増加している。
先天性腎盂尿管移行部狭窄の原因のほとんどは,UPJの組織学的形成異常である。ほかに良性ポリープによる閉塞,異常血管や線維束による圧迫,尿管の屈曲,癒着,あるいは尿管高位付着(high insertion)などがある。しかし,これらは腎盂の拡張に伴う二次的な変化であり,組織学的な異常を伴っていることが多いとの考えもある。
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