特集 皮疹はこう見る,こう表現する
よく見る皮膚疾患を発疹レベルで理解する
〈細菌感染症〉
丹毒,蜂窩織炎
山﨑 修
1
1岡山大学大学院医歯薬学総合研究科皮膚科学
キーワード:
丹毒
,
蜂窩織炎
,
細菌感染症
Keyword:
丹毒
,
蜂窩織炎
,
細菌感染症
pp.1924-1926
発行日 2020年10月10日
Published Date 2020/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402227254
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丹毒
▶疾患の概要
丹毒は真皮を中心とする急性びまん性の細菌感染症である.発熱,悪寒,頭痛,嘔吐などの全身症状を伴って発症する場合が多く,疼痛のある浮腫性紅斑や辺縁隆起する浸潤性局面となる(図1).高齢者に多いが,新生児や小児でもみられる.通常はA群レンサ球菌や黄色ブドウ球菌による1).稀にB群レンサ球菌,肺炎球菌,大腸菌,Proteus mirabilis,Acinetobacter,Enterobacter,緑膿菌,Pasteurella multocida,Crypcococcus. neoformansなどによる.癌,化学療法,慢性リンパ浮腫,肝硬変,糖尿病,ネフローゼ症候群,医原性免疫不全,好中球減少症,免疫不全症候群,低栄養,腎不全,動脈硬化症などが発症の危険因子である.好発部位は顔面,下腿,臍部であり,リンパ浮腫が先存することが多い.小児では,眼囲,頰,頸部が多い.同一部位に再発することがある.
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