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増刊号特集 最近のトピックス2025 Clinical Dermatology 2025
5.皮膚科医のための臨床トピックス
眼瞼の症状から予測する食物アレルギー
Eyelid edema as a prognostic factor for food allergy
猪又 直子
1
Naoko INOMATA
1
1昭和医科大学医学部皮膚科学講座
1Department of Dermatology, Showa Medical University School of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
アナフィラキシー
,
蕁麻疹
,
食物アレルギー
,
pollen-food allergy syndrome
,
gibberellin-regulated protein
Keyword:
アナフィラキシー
,
蕁麻疹
,
食物アレルギー
,
pollen-food allergy syndrome
,
gibberellin-regulated protein
pp.173-176
発行日 2025年4月10日
Published Date 2025/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.002149730790050173
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summary
食物アレルギーでは,皮膚症状が抗原の感作部位と推察される部位に現れることがある.眼瞼浮腫を例に挙げると,まず想起されるのが加水分解小麦含有石鹸使用者に生じた小麦アレルギーである.洗顔時に曝露された小麦成分で眼瞼の皮膚や粘膜で感作が成立し,眼瞼の浮腫が高率に出現した.また,コチニール色素は食品と化粧品の両者に添加できる天然赤色色素で,アイメイクによる接触蕁麻疹の既往者が食後に眼瞼浮腫が現れたと訴えた場合,コチニール色素アレルギーを疑う.花粉-食物アレルギー症候群では,花粉感作との交差反応によって発症するが,誘発症状は花粉症と類似した症状が現れやすい.カバノキ科花粉によって生じる豆乳アナフィラキシー例では眼瞼浮腫が顕著になることがある.そのほか,ジベレリン制御蛋白による果物アレルギーは重症化することが多く,眼瞼浮腫は本症を予測する重要な皮膚所見として知られる.

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