特集 小児診療ガイドラインのダイジェスト解説&プログレス
消化器
39.胃食道逆流症
羽鳥 麗子
1
1群馬大学大学院小児科
キーワード:
胃食道逆流症
,
小児胃食道逆流症診断治療指針
Keyword:
胃食道逆流症
,
小児胃食道逆流症診断治療指針
pp.714-719
発行日 2020年4月20日
Published Date 2020/4/20
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001311
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溢乳・嘔吐ともに小児の日常診療ではよくみられる症状である.溢乳は胃食道逆流(GER)の主症状の1つであり,消化管や気道の攣縮を伴わない胃内容物の食道への逆流と定義される.乳児では,健常児にも多くみられる生理現象である.従来,小児期のGERは下部食道括約筋(LES)の未熟性により起こるとされていたが,LESが一過性に弛緩する(transient lower esophageal sphincter relaxation),あるいは腹腔内圧の変化にLES圧が適切に反応できないことなどにより起こると考えられている3)4).一方,嘔吐とは,消化管の内容物を口腔より噴出する現象であり,嘔気に始まり,肋間筋や横隔膜,腹筋の強い収縮によって腹腔内圧が急激に上昇し,胃内容が食道を経て口や鼻孔から噴出する.
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