特集 小児診療ガイドラインのダイジェスト解説&プログレス
消化器
40.Wilson病
児玉 浩子
1
1帝京平成大学健康メディカル学部健康栄養学科
キーワード:
Wilson病
,
Wilson病診療ガイドライン2015
Keyword:
Wilson病
,
Wilson病診療ガイドライン2015
pp.720-726
発行日 2020年4月20日
Published Date 2020/4/20
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001312
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本疾患は常染色体13q14.3に存在する銅輸送蛋白(copper-transporting ATPase)の遺伝子異常である.本疾患の責任遺伝子はATP7B,責任蛋白はATP7Bと略されている.ゲノムDNAは80kb以上で,21のexonからなり,1,411アミノ酸蛋白をコードしている.正常では,ATP7Bは,肝細胞内のゴルジ体膜に存在し,銅のサイトソルからゴルジ体内への輸送を司っている.ゴルジ体に輸送された銅は,ゴルジ体内でアポセルロプラスミンと結合して,銅が結合したホロセルロプラスミンになり,肝細胞から血液中に分泌される.血液中の銅の約90%はセルロプラスミン銅である.さらに,ATP7Bは胆汁への銅の分泌にも関与している.
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