提言
バロキサビル(ゾフルーザ®)は季節性インフルエンザ治療に使うべきではない
菅谷 憲夫
1
1神奈川県警友会けいゆう病院感染制御センター・小児科
キーワード:
ゾフルーザ®
,
バロキサビル
,
インフルエンザ
,
耐性
,
抗インフルエンザ薬
Keyword:
ゾフルーザ®
,
バロキサビル
,
インフルエンザ
,
耐性
,
抗インフルエンザ薬
pp.83-87
発行日 2020年1月1日
Published Date 2020/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001165
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バロキサビルで治療すると高率に耐性が発生することは治験段階で明らかであった(A香港型に対し成人で10.9%,小児で25.7%).さらに2018~2019年シーズン,実際に臨床で使用され,高率に耐性が発生し,耐性ウイルス(低感受性ウイルス)が感染することも実証された.バロキサビルで治療したB型インフルエンザの小児では,耐性がない場合でも,高率に再発熱がみられ用量不足が示唆された.バロキサビルは,季節性インフルエンザの外来治療に適した抗インフルエンザ薬ではなく,オセルタミビルやラニナミビルの代わりに使用すべきではない.ノイラミニダーゼ阻害薬と併用し,耐性を抑えて,入院重症例あるいは新型インフルエンザ感染例での治療効果が期待される抗インフルエンザ薬である.
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