特集 感染症2020―冬のインフルエンザ・夏のオリンピックに備える
インフルエンザ
季節性インフルエンザの治療
日馬 由貴
1
1国立国際医療研究センターAMR臨床リファレンスセンター
キーワード:
ノイラミニダーゼ阻害薬
,
oseltamivir耐性
,
baloxavir
,
予防投与
Keyword:
ノイラミニダーゼ阻害薬
,
oseltamivir耐性
,
baloxavir
,
予防投与
pp.21-25
発行日 2020年1月1日
Published Date 2020/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika125_21
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Summary
▪ノイラミニダーゼ阻害薬(NAI)は有熱期間を1日短縮する程度の効果しかないが,決して投与が無意味というわけではない.
▪過剰使用により耐性ウイルスが流行するかどうかはっきりしない現状では,本邦における健常人を含めたインフルエンザ患者全例への投薬は,無下には否定できない状況である.
▪NAIは種類によって効果に大きな差がないため,場面によって使い分ければよい.
▪新薬であり,データの少ないbaloxavirは慎重に使用する姿勢が求められる.
▪予防投与については,抗インフルエンザウイルス薬による予防投与は優先度が低く,感染対策とワクチン接種の徹底がより大切ということを理解すべきである.
© Nankodo Co., Ltd., 2020