オピニオン
三次喫煙から乳幼児を守る
泉 信夫
1
1元 出雲市立総合医療センター医師
キーワード:
三次喫煙
,
タバコ煙残留物
,
乳幼児
,
長期曝露
,
加熱式タバコ
Keyword:
三次喫煙
,
タバコ煙残留物
,
乳幼児
,
長期曝露
,
加熱式タバコ
pp.75-81
発行日 2020年1月1日
Published Date 2020/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001164
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副流煙と呼気煙からなる “二次タバコ煙” に含まれるニコチンをはじめとした物質の一部は,喫煙終了後に室内表面,家塵,衣類,皮膚面に沈着,吸着して長期間残留する.こうした成分やそれにかかわる物質に曝されることを “三次喫煙” と呼ぶ.残留物質は再ガス化や,他の室内空気汚染物質と反応してタバコ特異的ニトロソアミン(TSNAs),超微小粒子や揮発性物質の産生をきたす.家塵に吸着して再浮遊し,経皮吸収や経消化器吸収されることもある.加熱式タバコには副流エアロゾルはないが呼気中の液体微小粒子は融合し,高い沈着性を示す.乳幼児,とくに2歳未満の児は床上の行動や物を舐める行為,喫煙者による抱っこなど,曝露リスクは特段に大きい.子どもたちを十分に守る対策は,喫煙をする家族皆の禁煙である.
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