綜説
Alport症候群の診断と治療
大塚 泰史
1
1佐賀大学医学部小児科
キーワード:
Alport症候群
,
Ⅳ型コラーゲン
,
レニン・アンギオテンシン系阻害剤
,
バルドキソロンメチル
,
microRNA-21オリゴヌクレオチド
Keyword:
Alport症候群
,
Ⅳ型コラーゲン
,
レニン・アンギオテンシン系阻害剤
,
バルドキソロンメチル
,
microRNA-21オリゴヌクレオチド
pp.1647-1654
発行日 2019年11月1日
Published Date 2019/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001106
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Alport症候群は感音性難聴と眼病変を伴う進行性腎症であり,末期腎不全に至る可能性のある遺伝性疾患である.病因はCOL4A3,COL4A4,COL4A5遺伝子変異によるⅣ型コラーゲンの異常であり,X連鎖型,常染色体劣性型,常染色体優性型の遺伝形式により腎予後が異なる.診断には持続性血尿とともに,腎糸球体基底膜の特徴的な電子顕微鏡像が有用であり,近年は網羅的な遺伝子解析が行われ遺伝学的診断も可能となった.根治的治療はなく進行例には腎代替療法が適応されるが,レニン・アンジオテンシン系阻害薬はタンパク尿を減少させ腎予後に寄与している.本稿ではAlport症候群の臨床診断や検査法,治療の現状について解説する.
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