綜説
小児結核―日本と世界のつながり
中西 好子
1
1結核予防会総合健診推進センター副所長
キーワード:
小児結核
,
BCG
,
外国人
,
外国生まれ
,
潜在性結核感染症
Keyword:
小児結核
,
BCG
,
外国人
,
外国生まれ
,
潜在性結核感染症
pp.1531-1539
発行日 2019年10月1日
Published Date 2019/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001075
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日本の小児結核の年間患者数はここ数年50~60名前後で世界的に見ても非常に少ない状態に達している.小児結核の発見の経緯は,家族等が発病した場合に接触者健診から発見されることが多いが,BCG接種後のコッホ現象などで発見されることもある.また,結核感染でINHなどの予防治療を必要とする潜在性結核感染症は増加傾向にある.小児結核が少ないのは,潜在性結核感染症を治療して発病を防いでいることと,BCG接種における1歳までの接種率の高さが貢献していると考えられている.日本において,外国生まれの結核患者がとくに15~30歳台の年齢で急増している.世界的に見た結核高蔓延国の多くがアフリカやアジアであるなか,とくにアジアからの訪日および在留する人が急増している日本の状況下では,小児診療にあたって,結核を念頭におき診療していく必要がある.
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