綜説
小児日本紅斑熱の臨床的特徴
東川 正宗
1
1伊勢赤十字病院小児科
キーワード:
日本紅斑熱
,
Rickettsia japonica
,
ダニ媒介性感染症
Keyword:
日本紅斑熱
,
Rickettsia japonica
,
ダニ媒介性感染症
pp.1519-1530
発行日 2019年10月1日
Published Date 2019/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001074
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日本紅斑熱はRickettsia japonicaを保有するマダニ類に刺咬され発症するリケッチア感染症である.小児の臨床像もおおむね成人と同様であるが,乳幼児では刺し口が不明な例がある.耳介周囲を含む頭部もダニによる好発刺咬部位である.潜伏期間は2~9日間で,40度以上の高熱を呈し,発熱と同時または2~4日以内に紅斑が出現する.乳幼児例では川崎病との鑑別が必要で,手掌,足底のスポット状の紅斑が鑑別に有用である.治療の遅れにより血球貪食症候群様の病態を示すことがある.発生動向に注目し,小児を扱う開業医と地域住民へ情報提供を行い,発症予防,早期発見,早期治療に結びつけていくことが重要である.
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