症例
インターネット上の情報から母親が診断できたCoffin-Lowry症候群の典型的症例
石切山 敏
1
1静岡県立こども病院遺伝染色体科科長
キーワード:
人工知能(AI)
,
重度発達遅滞
,
特異顔貌
,
楓様手
,
X染色体劣性遺伝
Keyword:
人工知能(AI)
,
重度発達遅滞
,
特異顔貌
,
楓様手
,
X染色体劣性遺伝
pp.1541-1543
発行日 2019年10月1日
Published Date 2019/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001076
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奇形症候群は特異顔貌など外表から診断できるので,Down症候群など頻度も知名度も高い症候群では医師の告知前に家族が診断に気づいていることも珍しくない.しかし,頻度も知名度も低い症候群では医師でも診断は困難で,まして家族が独自に診断に至ることはなかった.10歳まで原因不明の重度発達遅滞とされてきた男児の母親が,インターネット上の情報から自ら患児をCoffin-Lowry症候群と診断できた.長年複数の小児科医に見落とされてきた診断が医学的専門知識のまったくない母親に可能であったことに,インターネットの威力を痛感した.近未来的には人工知能(AI)の適用により希少疾患の診断が正確・迅速かつ容易に行われると予感される.
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