特集 感染症と医療安全
4.感染症別の対策(8)結核
高森 幹雄
1
1東京都立多摩総合医療センター呼吸器・腫瘍内科
キーワード:
血液透析
,
結核
,
潜在性結核感染症
,
空気感染
Keyword:
血液透析
,
結核
,
潜在性結核感染症
,
空気感染
pp.181-190
発行日 2021年2月10日
Published Date 2021/2/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000001623
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肺結核は年々減少しているが,透析患者数は増加してきた.糖尿病性腎症が多く,慢性腎不全・糖尿病は共に肺結核発症のリスク因子である.血液透析センターは閉鎖空間ともいえ,院内感染の報告もされている.発病時に典型的症状に欠く例も多く,発見の遅れが目立つ傾向がある.発見の目安は新規異常陰影,発熱,胸水貯留,呼吸器症状(咳嗽・喀痰)の出現,が挙げられる.迷わずインターフェロンγ遊離試験(IGRAs)や画像・喀痰検査が推奨される.死亡率は高率であるが,治療については透析用量で用いればその安全性は高く,早期発見・早期治療が重要である.さらに予防的対応として,透析導入時にIGRAsを測定してLTBI治療の導入も推奨される.
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