特集 原発性免疫不全症候群—最近の話題
2.原発性免疫不全症候群の疫学
山田 雅文
1
1北海道大学大学院医学研究院小児科学教室
キーワード:
原発性免疫不全症候群
,
PID
,
網羅的な遺伝子解析法
,
新生児マススクリーニング
,
レジストリ
Keyword:
原発性免疫不全症候群
,
PID
,
網羅的な遺伝子解析法
,
新生児マススクリーニング
,
レジストリ
pp.1229-1233
発行日 2019年8月1日
Published Date 2019/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001004
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2011年に原発性免疫不全症候群(PID)の全国調査が行われ,その頻度は10万名に2.3名と予想された.その後,網羅的な遺伝子解析法が普及し,多くの新規PID疾患が毎年報告されている.PIDの頻度には診断率も大きく影響し,PIDの診療体制に加え,迅速かつ正確な診断が重要である.PID遺伝子検査が最近保険収載され,その前後でのPID専門医師による症例相談と遺伝子検査後の診断支援も行う体制になり,診断率の向上が期待できる.TRECsによる新生児マススクリーニングの普及でさらにPIDの診断率が向上し,永続的な患者レジストリも構築されれば,より正確なPIDの頻度が明らかになることが期待される.
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