特集 小児神経難病の臨床
6.Dravet症候群
石井 敦士
1
1福岡大学医学部小児科学教室
キーワード:
熱性けいれん
,
発達性およびてんかん性脳症
,
ナトリウムイオンチャネルブロッカー
,
電位依存性ナトリウムイオンチャネル
,
SCN1A遺伝子
Keyword:
熱性けいれん
,
発達性およびてんかん性脳症
,
ナトリウムイオンチャネルブロッカー
,
電位依存性ナトリウムイオンチャネル
,
SCN1A遺伝子
pp.941-947
発行日 2019年5月1日
Published Date 2019/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000000921
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Dravet症候群は,欧米では4万名出生に1名の発症とされ,まれなてんかんである.生後1年以内に片側性または全般性の,間代性あるいは強直間代性発作を初発発作とし,多くは発熱に伴う.1~4歳程度までの間にミオクローヌス,焦点性発作,非定型欠神が付随し,これらの発作は,抗てんかん薬への抵抗性を示す.知的発達は,多くは初発発作までは正常であるが,2歳までに発達遅滞が現れる.運動機能も,進行性に錘体路徴候や失調症状を示すことがある.てんかん発作や頻発するてんかん発射が,認知や行動,精神や運動発達に影響を及ぼすため,発達性およびてんかん性脳症の一つと考えられている.その分子病態は,SCN1A遺伝子がコードする電位依存性ナトリウムイオンチャネルの異常である.
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