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目的
エピナスチン塩酸塩眼瞼クリーム0.5%の長期塗布時の安全性と有効性を検討すること,および参考としてエピナスチン塩酸塩点眼液0.1%との使用感の差異を確認すること。
対象と方法
アレルギー性結膜炎患者を対象に,オープンラベル下でエピナスチン塩酸塩眼瞼クリーム0.5%を片眼につき1回約30mg,1日1回,両眼の上下眼瞼に塗布し(クリーム群),8週間にわたって安全性(有害事象および副作用)と有効性(自覚症状スコアおよび他覚所見スコア)を経時的に観察した。参考として,エピナスチン塩酸塩点眼液0.1%を1日2回,8週間両眼点眼群を設定し(点眼液群),使用感等の差異をアンケートで確認した。
結果
解析対象症例数は,186例(クリーム群124例,点眼液群62例)であった。本試験で認められた副作用は,クリーム群で1.6%(2/124例),点眼液群で0%(0/62例)であった。また,クリーム群における副作用の内訳は,眼瞼そう痒症1.6%(2/124例)および眼瞼紅斑0.8%(1/124例)であった。眼そう痒感スコアおよび結膜充血スコアは,クリーム群および点眼液群いずれも投与開始1週間後より有意な減少を認め,投与期間の経過に伴いスコアは減少した。クリーム群のベースラインからの変化量は,自覚症状スコアおよび他覚所見スコアいずれも点眼液群と同程度であった。眼瞼クリームの使用感等アンケートの結果,「使いやすい」「塗り心地に問題はない」「クリーム剤による治療を受け入れられる」の回答は,それぞれ90.3%(112/124例),79.0%(98/124例),94.4%(117/124例)であった。また,「クリーム剤は点眼液に比べ負担が少ない」の回答は62.9%(78/124例)であった。
結論
エピナスチン塩酸塩眼瞼クリーム0.5%は,エピナスチン塩酸塩点眼液0.1%群と同様に安全性に特段の懸念は認められなかった。また,1日1回の塗布で投与後早期から有効性を示し,その効果は8週間にわたって維持された。さらに,本剤の使用感は良好であり,本剤による治療の受容度も高いことが明らかとなった。以上より,本剤はアレルギー性結膜炎治療の新たな選択肢になり得ると考えられた。
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