特集 インフルエンザ診療最前線
疫学によるインフルエンザワクチンの有効性評価
福島 若葉
1
1大阪市立大学大学院医学研究科公衆衛生学教授
キーワード:
インフルエンザワクチン
,
有効性
,
疫学
,
test-negative design
Keyword:
インフルエンザワクチン
,
有効性
,
疫学
,
test-negative design
pp.47-51
発行日 2015年11月20日
Published Date 2015/11/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.33.11_0047-0051
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「はじめに」疫学は,ヒト集団における健康事象を解明する医学研究手法である。あらゆる疾病の予防・治療法は,最終的にはヒト集団を対象として評価すべきであることから,インフルエンザワクチンの有効性評価にあたっても重要な理論であることは自明である。2014年の冬,ある著書で,わが国における不活化インフルエンザワクチンの有効性の論拠に関する一節を担当させていただいた1)。原稿執筆にあたり,医学専門誌に掲載された過去の英文論文を一からレビューして感じたことは,疫学の原理を厳密に適用している研究がいかに少ないかということであった。難病など慢性疾患の疫学研究にも従事している筆者らの見解としては,感染症の研究領域において疫学の概念が十分浸透していないことに加え,インフルエンザという疾病の特殊性から生じる難しさも多分に影響していると考えている。「KEY WORDS」インフルエンザワクチン,有効性,疫学,test-negative design
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