特集 これは知っておきたい―治療に勝る! 感染症の予防2025
[Chapter 1] 成人でも重要なワクチンで予防できる感染症(VPD)
ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン
池田 さやか
1
,
上田 豊
1
1大阪大学大学院 産科婦人科学教室
キーワード:
ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン
,
有効性
,
安全性
,
コミュニケーション
Keyword:
ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン
,
有効性
,
安全性
,
コミュニケーション
pp.1270-1275
発行日 2025年6月1日
Published Date 2025/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika135_1270
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★★★子宮頸がんは,検診とワクチンで予防が可能な“がん”であるが,本邦では年間約1.1万人が罹患し,約2,900人が死亡,とくに若年での罹患率の上昇が問題となっている.
★★2013年にヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンは定期接種化されたが,接種後の多様な症状についての報道を受け,厚生労働省の積極的な勧奨差し控えにより,ワクチン接種率はほぼ0%にまで低下した.
★★2022年から積極的勧奨再開とキャッチアップ接種が始まったが,接種率は世界のなかで低水準であり,子宮頸がん撲滅にむけてWHOが示す目標からも程遠いものである.
★★★依然,HPVワクチンへの不安は根強いため,接種者やその保護者に対して,子宮頸がんという病態やHPVワクチンを打つことの意義,目的,重要性を伝え,さまざまな工夫により不安を和らげることが大切である.
★★★:一般内科診療で必要な内容,★★:総合内科専門医試験レベルの内容,★:専門性の高い内容

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