特集 溶連菌感染症を見直す
9.B群溶連菌感染症の現在とこれから
岡田 広
1
1松戸市立総合医療センター小児集中治療科
キーワード:
Streptococcus agalactiae
,
GBS
,
early-onset disease
,
late-onset disease
,
intrapartum antibiotic prophylaxis
Keyword:
Streptococcus agalactiae
,
GBS
,
early-onset disease
,
late-onset disease
,
intrapartum antibiotic prophylaxis
pp.1559-1565
発行日 2018年10月1日
Published Date 2018/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000000633
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B群溶血性レンサ球菌(GBS)は,新生児や乳児の髄膜炎および敗血症の原因となる重要な菌である.日齢0~6に発症する早発型感染(EOD)と日齢7~89に発症する遅発型感染(LOD),日齢90以降に発症する超遅発型感染に区別される.また妊産婦や基礎疾患を有する成人にも侵襲性感染症を引き起こす.分娩時の予防的抗菌薬投与が行われるようになりEODの発症率は減少したが,LODの発症率は減少していない.また成人期の発症も増加しており,成人由来の株ではペニシリン系薬に低感受性のGBSも報告され,今後注意が必要である.治療はペニシリンGもしくはアンピシリンを選択する.GBSワクチンの開発もすすんでおり,臨床試験の結果が期待される.
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