特集 小児腎・泌尿器疾患update
3.補体介在性腎疾患
-―非典型溶血性尿毒症症候群とC3腎症
奥田 雄介
1
,
澤井 俊宏
1
1滋賀医科大学 小児科
キーワード:
atypical hemolytic uremic syndrome
,
C3 glomerulopathy
,
抗factor H抗体
,
エクリズマブ
,
代替経路
Keyword:
atypical hemolytic uremic syndrome
,
C3 glomerulopathy
,
抗factor H抗体
,
エクリズマブ
,
代替経路
pp.1387-1397
発行日 2018年9月1日
Published Date 2018/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000000596
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非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)とC3腎症はともに補体代替経路の異常により発症する腎疾患という点で共通する.一方,その臨床経過はまったく異なり,aHUSは他のHUSと,C3腎症は他の糸球体腎炎との鑑別をそれぞれ要する.aHUSはエクリズマブの登場と補体検査の発展により,その診断,治療に関するコンセンサスが整いつつある.C3腎症はaHUSにくらべて不均一な疾患であることと,治療法が確立されていないことから,統一された治療指針の確立まではまだ時間がかかりそうである.両疾患とも今後さらなる発展が見込まれるなか,病態,診断,治療,予後など現時点で明らかとなっていることを理解し,診療と今後の研究につなげることが重要である.
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