Japanese
English
特集 急性腎障害(AKI)
各論―AKIの病態とその対応
小児とAKI
Acute kidney injury in children
伴 英樹
1,2
,
三浦 健一郎
2
,
服部 元史
2
BAN Hideki
1,2
,
MIURA Kenichiro
2
,
HATTORI Motoshi
2
1熊本赤十字病院小児科
2東京女子医科大学腎臓小児科
キーワード:
小児
,
急性腎障害(AKI)
,
Renal Angina Index(RAI)
,
Nephrotoxic Injury Negated by Just-in-time Action(NINJA)プログラム
Keyword:
小児
,
急性腎障害(AKI)
,
Renal Angina Index(RAI)
,
Nephrotoxic Injury Negated by Just-in-time Action(NINJA)プログラム
pp.93-99
発行日 2023年1月25日
Published Date 2023/1/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000588
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はじめに
従来,急激な腎機能低下を伴う病態は急性腎不全として認識されていたが,2000年代になり,急性腎障害(acute kidney injury:AKI)という新たな概念が提唱された。2012年にKidney Disease:Improving Global Outcomes(KDIGO)が,これまでのエビデンスをまとめたAKIガイドラインを発表し,さらにKDIGO診断基準を提唱した(表1)1)。KDIGO診断基準では,AKIを血清クレアチニン(Cr)と尿量によって定義しており,体液の恒常性が破綻する前段階での早期発見,早期治療介入を重視している。その後,2016年にわが国において日本腎臓学会,日本集中治療医学会,日本透析医学会,日本急性血液浄化学会,日本小児腎臓病学会の5学会から日本版の『AKI(急性腎障害)診療ガイドライン2016』が発表された2)。『AKI(急性腎障害)診療ガイドライン2016』では,小児AKIも成人同様,KDIGO診断基準を用いることが推奨され,生後3カ月以上では,KDIGO診断基準を用いて生命予後を予測することを提案している(推奨の強さ:2,エビデンスの強さ:C)。
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