特集 ここまで進歩した生物学的製剤と分子標的薬
7.小児腎疾患に対する分子標的薬
貝藤 裕史
1
1兵庫県立こども病院腎臓内科
キーワード:
リツキシマブ
,
エクリズマブ
,
ベリムマブ
Keyword:
リツキシマブ
,
エクリズマブ
,
ベリムマブ
pp.168-174
発行日 2022年2月1日
Published Date 2022/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000002070
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腎疾患に応用される分子標的薬としては,リツキシマブ,エクリズマブ,ベリムマブなどがある.リツキシマブはB細胞表面に発現する分化抗原CD20に対するモノクローナル抗体で,わが国で実施された医師主導治験により,小児期発症難治性ネフローゼ症候群患者に対するリツキシマブの有効性と安全性が証明された.エクリズマブはヒト補体成分C5を標的としたモノクローナル抗体で,非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)に適応がある.可溶性Bリンパ球刺激因子(BLyS)を中和する完全ヒト化モノクローナル抗体であるベリムマブは,既存治療で効果が不十分な全身性エリテマトーデス(SLE)に対して適応がある分子標的薬で,小児への適応も取得している.本稿では,これら3種の分子標的薬について,最新の知見を含め詳述する.
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