症例
肺炎球菌敗血症を契機に発症したHemiconvulsion Hemiplegia Syndromeの1例
玉岡 哲
1
,
内田 登
1
,
高橋 努
1
1済生会宇都宮病院小児科
キーワード:
急性脳症
,
侵襲性肺炎球菌感染症
,
片側けいれん片麻痺症候群
,
13価結合型肺炎球菌ワクチン
,
ゾニサミド
Keyword:
急性脳症
,
侵襲性肺炎球菌感染症
,
片側けいれん片麻痺症候群
,
13価結合型肺炎球菌ワクチン
,
ゾニサミド
pp.1353-1358
発行日 2018年8月1日
Published Date 2018/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000000580
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Hemiconvulsion Hemiplegia Syndrome(HHS)はGastautらが1960年に初めて報告した1)症候群で,急性期の片側性けいれん,続発する同側の片麻痺を特徴とする.50%以上は慢性期にてんかんを合併し,Hemiconvulsion Hemiplegia Epilepsy Syndrome(HHES)とよばれる.原因により外傷,頭蓋内感染症,脳梗塞等に続発する症候性HHSと,発熱と中枢神経系以外の感染症のみに関連する特発性HHSに分けられる.特発性HHSの発症には細胞毒性,ウイルス感染等により引き起こされる炎症性サイトカインの異常による細胞構造の崩壊や変性2),遺伝的要因等が関与すると考えられている.細菌感染による敗血症を契機に発症したHHS以外の脳症3),肺炎球菌による化膿性髄膜脳炎を契機に発症したHHS4)の報告はあるが,われわれが把握し得た範囲では,頭蓋内感染を伴わない肺炎球菌敗血症でHHSを生じた報告はない.
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