特集 予防医療―包括的な提供を目指して
薬剤などによる予防と予防接種
肺炎球菌ワクチン
石橋 令臣
1
,
樽本 憲人
1
1埼玉医科大学感染症科・感染制御科
キーワード:
侵襲性肺炎球菌感染症
,
PPSV23
,
PCV13
Keyword:
侵襲性肺炎球菌感染症
,
PPSV23
,
PCV13
pp.1095-1098
発行日 2020年12月1日
Published Date 2020/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika126_1095
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Summary
▪肺炎球菌ワクチンには多糖体ワクチンと結合型ワクチンが存在している.
▪肺炎球菌における莢膜の多糖体を生成してつくられたのが肺炎球菌莢膜多糖体ワクチン(PPSV)である.肺炎球菌結合型ワクチン(PCV)は,血清型の莢膜多糖体に担体となるキャリア蛋白を結合させたワクチンである.
▪日本においては23価肺炎球菌莢膜多糖体ワクチン(PPSV23)と13価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV13)が使用されている.
▪わが国においてはPCV13の接種は65歳以上の高齢者と5歳以下の小児に限られていたが,2020年に「全年齢の肺炎球菌による罹患リスクが高いと考えられる者」に適応が拡大された.
▪米国疾病管理予防センターの予防接種の実施に関する諮問委員会(ACIP)ではHIVなどの免疫不全者に対して接種を推奨しているが,エビデンスが十分ではなく有効性および安全性についてのさらなる検討が必要であると報告している.
© Nankodo Co., Ltd., 2020