今月の主題 注目のグラム陽性菌
レンサ球菌
劇症型A群レンサ球菌感染症
五十嵐 英夫
1
,
柏木 義勝
1
,
遠藤 美代子
1
,
奥野 ルミ
1
,
榎田 隆一
1
Hideo IGARASHI
1
,
Yoshikatsu KASHIWAGI
1
,
Miyoko ENDO
1
,
Rumi OKUNO
1
,
Ryuichi ENOKIDA
1
1東京都立衛生研究所微生物部細菌第二研究科
キーワード:
A群レンサ球菌
,
β-溶血レンサ球菌
,
発熱性毒素
,
スーパー抗原
,
T蛋白抗原型
,
壊死性筋膜炎・筋炎
Keyword:
A群レンサ球菌
,
β-溶血レンサ球菌
,
発熱性毒素
,
スーパー抗原
,
T蛋白抗原型
,
壊死性筋膜炎・筋炎
pp.392-398
発行日 1996年4月15日
Published Date 1996/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542902878
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近年,わが国でもA群レンサ球菌を起因菌とするショック,多臓器障害,軟部組織の壊死など,重篤な病態の進行が非常に速く,死亡率の高い劇症型A群レンサ球菌感染症が散見される.当初,病原性の強い新たなA群レンサ球菌の出現ではないかと騒がれたが,そのような証拠はこれまで明らかでない.本症患者由来A群レンサ球菌の疫学的調査によると,ある限られた血清型だけに収斂することもみられていない.発病機序については発熱性毒素がスーパー抗原の1つであることからいろいろ検討されているが,本症の激烈な病態をすべて説明できるような機序は不明である.本症の特徴は患者の血液や組織などからA群レンサ球菌が検出される敗血症であり,分離株はペニシリン感受性である.〔臨床検査40:392-398,1996〕
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