症例から学ぶ抗生物質の使い方
レンサ球菌感染症
北原 光夫
1
1東京都済生会中央病院・内科
pp.1516-1517
発行日 1987年8月10日
Published Date 1987/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221073
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症例 54歳,女性.腸癌の手術を10年前に受け,その後2年間経口抗癌剤(5FU誘導体)の投与を受けていた.5年前に汎血球減小症(WBC 2,500/mm3,Hb 8.5g/dl,血小板 4〜5万/mm3)となり,血液外来で骨髄穿刺と生検にて低形成骨髄を証明された.また,血液外来でフォロー中に肝性昏睡を合併し,おそらく10年前の輸血後肝炎(non A,non B)によった肝硬変と考えられた.
7日前より,夕方になると38℃の発熱を認め来院する.入院時には皮膚のかゆみのためのひっかき傷を背部・腹部に認める.腹水の貯留を認め,軽度の圧痛があった.
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