増大号特集 正しく指示する食事指導・食事療法
10.乳児難治性下痢症
時田 万英
1
,
東海林 宏道
1
,
清水 俊明あき
1
1順天堂大学医学部小児科学講座
キーワード:
下痢症
,
経腸栄養
,
elemental diet
,
乳タンパク分解物調製粉乳
Keyword:
下痢症
,
経腸栄養
,
elemental diet
,
乳タンパク分解物調製粉乳
pp.1463-1466
発行日 2017年11月1日
Published Date 2017/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000000225
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乳児難治性下痢症は乳児期早期に長引く下痢として発症し,診断に至るまでに時間を要する症例も多い.中心静脈栄養を併用しながら下痢の改善を見計らい,速やかかつ適切に経腸栄養を再開することが患者の予後改善につながる.経腸栄養の内容として,軽症例では乳タンパク分解物調製粉乳を,重症例では小児用elemental diet を使用するのが一般的で,低濃度・少量から開始し,便性や便回数,腹部症状,体重などの推移を確認しながら増量する.近年,食品衛生の国際規格(CODEX)が変更となり,本邦の乳タンパク分解物調製粉乳へもビオチンやカルニチンが添加されるようになったが,成分栄養剤にはセレン等が含まれていないので,微量元素欠乏に留意しモニタリングや補充を考慮すべきである.
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