Japanese
English
臨床研究
狭窄の強い大腸癌患者に対する成分栄養剤経口投与による術前栄養管理
Preoperative nutritional management with oral intake of an elemental diet for patients with strictured colorectal cancer
堀部 大輔
1,2
,
丸山 尚嗣
1
,
夏目 俊之
1,2
,
渡辺 義二
1
,
鍋谷 圭宏
2
Daisuke HORIBE
1,2
1船橋市立医療センター外科
2千葉大学大学院医学研究院先端応用外科学(千葉大学医学部附属病院食道・胃腸外科)
キーワード:
大腸癌
,
栄養管理
,
elemental diet
Keyword:
大腸癌
,
栄養管理
,
elemental diet
pp.1577-1581
発行日 2009年11月20日
Published Date 2009/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102875
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要旨:狭窄の強い大腸癌症例に対してelemental diet(ED)を用いた栄養管理を行い,その有用性を完全静脈栄養(total parenteral nutrition:TPN)管理と比較した.【対象と方法】2007年12月から2009年2月の間に当科へ入院した狭窄の強い大腸癌手術症例の20例を対象とした.術前管理にEDを用いた症例は13例,TPNを用いた症例は7例であった.両群間で(1)術前管理上の合併症,(2)入院時および手術2日前に測定した体重,血清レチノール結合蛋白値(retinol-binding protein:RBP),血清プレアルブミン値の推移,(3)術式ならびに術後合併症,術後経口摂取再開までの期間,術後在院日数を比較した.【結果】(1)いずれの術前栄養管理中にも合併症はなかった.入院から手術までの日数も有意差は認めなかった.(2)投与熱量はTPN群のほうが多かったが,栄養指標の推移に両群間で有意差は認めなかった.(3)術式は,TPN群の1例で腹膜播種のため人工肛門造設術のみ施行したが,ほかの19例では予定された切除術を施行することができた.術後合併症発生頻度,術後経口摂取再開までの期間,術後在院日数にも有意差はなかった.【考察】狭窄の強い大腸癌症例の術前栄養管理法として,安全性ならびに栄養指標の推移からEDはTPNに劣らず,標準的に使用し得ると考えられた.
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