増大号特集 正しく指示する食事指導・食事療法
3.摂食障害
徳原 大介
1
,
藤本 浩毅
2
1大阪市立大学大学院医学研究科発達小児医学
2大阪市立大学医学部附属病院栄養部
キーワード:
摂食障害
,
神経性やせ症
,
回避・制限性食物摂取症
,
再栄養症候群
,
成長障害
Keyword:
摂食障害
,
神経性やせ症
,
回避・制限性食物摂取症
,
再栄養症候群
,
成長障害
pp.1411-1419
発行日 2017年11月1日
Published Date 2017/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000000218
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小児期の摂食障害は成人と異なり,神経性やせ症のみならず,やせ願望を認めず多様な背景をもつ回避・制限性食物摂取症の頻度が高く,栄養障害の遷延が成長の遅れにつながる.治療においては,成長曲線と食事記録をもとに,やせの程度やエネルギー摂取量を適切に評価したうえで,まず体重を維持する最低限の食行動の回復を目指し,栄養療法・認知行動療法・薬物療法・家族援助などを個々の症例に応じて組み合わせて外来治療をすすめ,効果が得られない場合は入院治療を行う.この際,小児科医や児童精神科医のみならず,臨床心理士や管理栄養士,看護師や薬剤師など多職種のスタッフによる栄養サポートチームを構築し対応すると効果的である.また,重度のやせに対する栄養療法では,臓器障害等の合併症(再栄養症候群)が起こり得るため,低リン血症等の有無を確認し,リン補充などを適宜行いながら緩徐な再栄養を進め,合併症のモニタリングを行う必要がある.
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