綜説
小児に対するカプセル内視鏡を用いた小腸病変の検索
徳原 大介
1
1大阪市立大学大学院医学研究科発達小児医学
キーワード:
カプセル内視鏡
,
Crohn 病
,
消化管出血
,
ポリープ
,
パテンシーカプセル
Keyword:
カプセル内視鏡
,
Crohn 病
,
消化管出血
,
ポリープ
,
パテンシーカプセル
pp.1219-1226
発行日 2017年9月1日
Published Date 2017/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000000175
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小腸カプセル内視鏡は,飲むだけで全小腸を観察できるカプセル型(₂₆×₁₁ mm)の内視鏡である.小腸疾患が疑われる,あるいは小腸疾患の診断が確定した小児におけるファーストラインの小腸検査として有用であり,とくに ① Crohn 病の疑いや確定診断例,② 原因不明の消化管出血や鉄欠乏性貧血,③ ポリープが検査のよい適応とされている.検査の留意点として,狭窄部位等におけるカプセル内視鏡の滞留が約₂%に生じ得るため,Crohn 病など滞留の危険性が高い患者に対しては,崩壊型のパテンシーカプセルを用いて消化管の開通性を事前に評価する必要がある.また,カプセルの嚥下ができない児に対しては,十二指腸にカプセルを内視鏡的に留置することによって本検査を行う手法も確立されている.このような技術の進歩により,カプセル内視鏡検査を用いた小児の消化器診療は今後いっそう進んでいくことが期待される.
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