Japanese
English
臨床
変形性膝関節症の慢性疼痛に対するinfiltration between the popliteal artery and the capsule of the knee(IPACK)の効果
Efficacy of infiltration between the popliteal artery and the capsule of the knee(IPACK)for chronic pain of osteoarthritis of the knee
戸田 佳孝
1
,
増田 研一
2
Yoshitaka TODA
1
,
Kenichi MASUDA
2
1戸田整形外科リウマチ科クリニック
2関西医療大学,スポーツ医科学研究センター
キーワード:
Osteoarthritis
,
Knee
,
Infiltration
Keyword:
Osteoarthritis
,
Knee
,
Infiltration
pp.879-883
発行日 2024年6月1日
Published Date 2024/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000003039
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要旨:変形性膝関節症(膝OA)の治療では,痛みを和らげ破局的思考による慢性化を防ぐことが重要である。本研究では1年以上疼痛が継続する55例の膝OA患者を無作為に以下の2群に分けた。最初に0.5%メピバカインを用いて膝窩動脈と関節包の間隙にブロック注射(IPACK)を行い,その後,運動療法を指導し毎週1回(計4回)ヒアルロン酸(HA)関節内注射を受けたブロック追加群(26例)と毎週1回(計5回)HA注射および運動療法指導を受けたHA単独群(29例)に分類し,治療成績を比較した。その結果,ブロック追加群はHA単独群に比べて治療開始5週間後のLequesne重症度指数の改善点数(p=0.026)およびVASの改善度(p=0.031)が有意に優れていた。IPACKは関節の知覚神経に作用し,下腿筋力に影響しないことから注射後歩行困難になりにくい。IPACKによって疼痛が和らいでいる間に運動療法を積極的に行えば,膝OAの疼痛の慢性化を防ぐために有用であると考えた。
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