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特集 SSI診療の最新動向を探る!
Ⅲ.SSIの治療
SSI・PJI・FRI治療における抗菌薬の適正な投与期間は?
What is the optimal duration of antimicrobial therapy for treating SSI, PJI and FRI ?
谷口 俊文
1
Toshibumi TANIGUCHI
1
1千葉大学医学部附属病院,感染制御部・感染症内科
キーワード:
Duration of antimicrobial therapy
,
Perioperative antimicrobial prophylaxis
,
DAPITO trial
Keyword:
Duration of antimicrobial therapy
,
Perioperative antimicrobial prophylaxis
,
DAPITO trial
pp.559-567
発行日 2025年4月30日
Published Date 2025/4/30
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000003385
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整形外科領域における手術部位感染症(SSI),人工関節感染症(PJI),骨折関連感染症(FRI)の抗菌薬投与期間について概説した。SSIの予防抗菌薬投与は不要な長期投与を避け,単回投与もしくは24時間以内が望ましい。PJIに関しては,DAIRによる治療では従来12週間とされていた投与期間を8週間程度まで短縮できる可能性が示唆されているが,近年のDATIPO試験では6週間の治療が12週間の治療に劣らないことを証明できなかった。二期的再置換術では局所抗菌薬の使用により全身性抗菌薬の投与期間を数日間まで短縮できる可能性があり,一期的再置換術では6週間の治療で十分との報告もある。FRIについては,周術期抗菌薬予防投与は72時間を超えないことが推奨され,感染発症後は6週間程度の投与で十分との報告がある。いずれの感染症においても,バイオフィルムに対する抗菌薬の選択が重要である。

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