変形性股関節症の関連遺伝子

Genes associated with osteoarthritis of the hip

要旨：変形性股関節症およびその関連疾患について，古典的双生児研究の結果や同胞内発症の症例報告により，これらの疾患にはある程度の遺伝的影響があると考えられている。Candidate gene studiesやゲノムワイド関連解析（GWAS），遺伝子ノックアウトモデルを用いた研究など疾患感受性遺伝子を同定するための多くの研究が行われてきた。これまでに報告された疾患感受性遺伝子は様々であり，人種差がみられたり再現性に乏しかったりするものがあることも事実である。その中で，GDF5は変形性股関節症（hip OA）および発育性股関節形成不全（DDH）において人種を問わず疾患感受性遺伝子として報告され，遺伝子欠損マウスを用いた研究では股関節形態への影響がみられた。Hip OAおよびその関連疾患は多因子疾患であり，複数の遺伝子が発症に関連しているため，さらなる大規模な解析による数多くの原因遺伝子同定が期待される。