特集 変形性関節症診療の新たな展開
変形性関節症の遺伝子研究
中佐 智幸
1
1広島大学大学院医系科学研究科整形外科学講師
pp.9-12
発行日 2017年6月20日
Published Date 2017/6/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.35.06_0009-0012
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変形性関節症(OA)は,主に関節軟骨の変性と軟骨下骨の変化により,関節変形をきたし,著しい疼痛と機能障害を生じる疾患である。OAの原因は完全に解明されてはいないが,機械的因子,生物学的因子など,さまざまな因子の相互作用により,軟骨変性を中心とする変化が生じ,OAが発症・進行していくと考えられている。そんななかで,新たな治療ターゲットを発見することは,従来にない画期的な治療法の開発につながるものと考えられる。これまで環境的要因と遺伝子的要因から,OAの原因・病態解明あるいは危険因子の究明が行われてきた。そして近年,ゲノム医科学などの技術進歩により,疾患感受性遺伝子の同定,DNAのメチル化やmicroRNA(miRNA)などのさまざまなエピジェネティクスな遺伝子制御機構まで明らかとなってきた。「key words」変形性関節症,疾患感受性遺伝子,マイクロRNA,関節軟骨
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