Japanese
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特集 広範囲腱板断裂に対する鏡視下手術
鏡視下腱板筋前進術
Arthroscopic rotator cuff muscle advancement(ARCA)
古川 龍平
1
Ryuhei FURUKAWA
1
1洛和会 丸太町病院,整形外科
キーワード:
Arthroscopic rotator cuff muscle advancement
,
Arthroscopic rotator cuff repair
,
Rotator cuff tear
Keyword:
Arthroscopic rotator cuff muscle advancement
,
Arthroscopic rotator cuff repair
,
Rotator cuff tear
pp.1007-1014
発行日 2024年8月1日
Published Date 2024/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000003086
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要旨:腱板断端が上腕骨結節部まで到達しない一次修復困難な腱板断裂では,部分修復術や代替組織を用いた腱板再建術を考慮する必要がある。一方,腱板筋前進術(Debeyre–Patte変法)は,棘上筋・棘下筋起始部を肩甲骨内側縁から剝離し,腱板全体を外側へ前進させる術式であり,腱板断端を上腕骨結節部まで引き出すことが可能となる。鏡視下腱板修復術を行う際には,断裂形態や修復腱板の緊張に応じて,段階的な剝離操作が必要である。関節内の剝離操作として腱板疎部の郭清,関節包切離を行い,滑液包側の剝離操作として烏口突起周囲の剝離,肩甲棘基部の剝離操作を行う。関節内,滑液包側の剝離後,腱板断端が低緊張下(30 N以下)に大結節まで引き出すことができない場合,腱板筋前進術を施行する。本術式は,欠損部の補填や腱板を代替する術式ではなく,腱板と上腕骨結節部の腱骨接合部の修復が可能なため,一次修復と同様に肩腱板機能の改善が可能な術式である。
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