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特集 大腿骨近位部骨折における二次性骨折の予防
大腿骨近位部骨折患者への薬剤治療介入と栄養管理
Pharmacological interventions and nutritional managements for the patients with hip fracture
田中 伸哉
1
Shinya TANAKA
1
1JCHOさいたま北部医療センター,整形外科
キーワード:
Secondary fracture
,
Osteoporosis
,
Oral nutritional supplementation
Keyword:
Secondary fracture
,
Osteoporosis
,
Oral nutritional supplementation
pp.955-962
発行日 2024年7月1日
Published Date 2024/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000003061
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要旨:高齢化社会において増大し続ける社会保障費の抑制は喫緊の課題である。直接的な経済負担のみでなく,高齢者の骨折は繰り返すごとに身体機能が低下し,支える家族の労働力低下にもつながる。二次性骨折予防,とりわけ,日常生活動作(ADL)への影響が大きい大腿骨近位部骨折後二次性骨折の防止は重要である。1990年代後半より多くの抗骨粗鬆症薬が開発されてきた。大腿骨近位部骨折後二次性骨折抑制のエビデンスがある薬剤は少ないが,術後早期からの治療導入と服薬遵守が重要であることは論をまたない。骨折リエゾンサービス(FLS)の普及が期待される。また,抗骨粗鬆症薬の適正使用にはカルシウムと天然型ビタミンDの十分な補充が必須であることは臨床治験の結果から一目瞭然である。さらに,患者の栄養状態に配慮することで,薬剤の効果が引き出されるのみでなく,合併症の防止にもつながる。
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