今日の問題点
大腿骨近位部骨折患者の日常的治療環境からみた骨粗鬆症治療の課題
藤原 高
1
,
鳥居 行雄
,
櫻井 信彦
,
梶田 哲史
,
加藤 大策
,
大脇 義宏
1岡崎市民病院 整形外科
キーワード:
降圧剤
,
股関節部骨折
,
骨粗鬆症
,
大腿骨頸部骨折
,
医薬品使用状況
,
骨密度維持剤
,
骨折-骨粗鬆症性
Keyword:
Antihypertensive Agents
,
Drug Utilization
,
Femoral Neck Fractures
,
Hip Fractures
,
Osteoporosis
,
Bone Density Conservation Agents
,
Osteoporotic Fractures
pp.251-253
発行日 2017年3月1日
Published Date 2017/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2017145992
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過去5年間に手術的治療を行った60歳以上の大腿骨近位部骨折1,112例(男248例、女864例、平均年齢82.2歳)について全治療薬の投与状況を調査し、健康管理環境からみた骨粗鬆症治療の課題を検討した。骨折型は頸部骨折459例、転子部骨折626例、転子下骨折27例で、骨折後入院時の薬剤別内服率は高血圧症治療薬が57.4%と最も高く、骨粗鬆症治療薬は14.7%であった。骨粗鬆症治療薬はビスホスホネート製剤がビタミン(Vit)D製剤の併用例を含めて48%を占め、以下、Vit D製剤40%、選択的エストロゲン受容体モジュレータ10%、副甲状腺ホルモン2%であり、骨粗鬆症治療率の年次推移はおよそ15%前後であった。骨粗鬆症の病態や治療に精通する整形外科医とかかりつけ医が連携し、骨粗鬆症治療率を向上させることが大腿骨近位部骨折の発生率低下につながると考えられた。
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