原著論文
当院の大腿骨近位部骨折患者に対する骨粗鬆症治療の介入実態
津田 亮二
1
,
廣村 健太郎
,
川原 範夫
1金沢医科大学 整形外科
キーワード:
股関節部骨折
,
骨粗鬆症
,
大腿骨頸部骨折
,
後向き研究
,
骨密度維持剤
Keyword:
Femoral Neck Fractures
,
Hip Fractures
,
Osteoporosis
,
Retrospective Studies
,
Bone Density Conservation Agents
pp.326-329
発行日 2018年3月19日
Published Date 2018/3/19
DOI https://doi.org/10.18885/J00282.2018187640
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軽微な外力で受傷した大腿骨近位部骨折(大腿骨転子部骨折、大腿骨頸部骨折)に対し手術を行い、3年以上経過観察し得た120例120股関節を対象に、入院前、入院中、在宅復帰後の骨粗鬆症に対する治療介入について調査した。その結果、受傷前に骨粗鬆症に対する薬物治療介入がなかった症例は105例(87.5%)で、うち94例(89.5%)が入院中も骨粗鬆症に対する薬物治療介入がなかった。また、この94例中78例(83.0%)は在宅復帰後も3年以上にわたり骨粗鬆症に対する薬物治療介入がなかった。次いで、同一期間に初回受傷後に対側の大腿骨近位部骨折を生じ、両側の大腿骨近位部骨折となった29例58股関節について同様に検討した。その結果、初回受傷前に骨粗鬆症に対する薬物治療介入がなかった症例は23例(79.3%)で、うち22例(95.7%)が入院中も骨粗鬆症に対する薬物治療介入がなかった。この22例中19例(86.4%)は、反対側の大腿骨近位部骨折を受傷するまで(平均1.3年)骨粗鬆症に対する薬物治療介入がなかった。
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