発行日 2013年4月1日
Published Date 2013/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2013197288
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2010年4月~2011年11月に受診した大腿骨近位部骨折のうち、非利き腕の橈骨遠位骨密度測定を行った266例を対象とし、大腿骨近位部骨折患者における骨粗鬆症有病率と治療の現状を検討した。骨密度を測定した大腿骨近位部骨折例の83.1%が原発性骨粗鬆症患者であり、来院時に骨粗鬆症治療を受けていた症例は14.5%、退院時に治療を行っていた症例は17.6%で、使用薬剤はビタミンD製剤が最も多かった。また、骨代謝マーカーを測定した151例のうち、骨折の危険性が高いとされる血清N末端テロペプチド≧16.5nmolBCE/lの症例は74.2%で、ビタミンK欠乏を示唆する低カルボキシル化オステオカルシン≧4.5ng/mlの症例は52.3%であった。大腿骨近位部骨折例に対する骨粗鬆症治療の必要性を啓蒙し治療を継続するためには、医療連携の強化が必要であると考えられた。
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