脆弱性骨盤輪骨折に対する治療方針の決定

Decision-making on treatment strategies for fragility pelvic ring fractures

要旨：高齢者脆弱性骨盤輪骨折のうち，側方圧迫型で仙骨骨折を伴うLC-1相当の骨折と，仙骨U字型骨折の治療について，文献的考察を行い，当院の見解を付記した。治療法は，過去には一律に保存療法が行われていたが，手術の有効性も認識されてきた。ただし，その適応は，保存療法の無効例に限定するものから，骨折型やストレス撮影を参考にして早期の手術介入を勧める意見まで様々である。実際に手術を行うかどうかは，症例ごとの判断を要する。術式は後方要素に対する経皮的スクリュー固定が中心となる。綿密な術前計画が必要である。