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特集 脆弱性骨盤輪骨折―診断・治療と予後
脆弱性骨盤輪骨折に対する仰臥位単純CTと側臥位単純CT(仰側臥位CT法)での不安定性の診断
Assessment of instability in fragility fractures of the pelvis;comparison between supine CT and lateral CT(prone supine CT method)
岡田 祥明
1
,
福田 文雄
2
,
安藤 恒平
1
,
善家 雄吉
1
,
林 豪毅
2
,
弓指 恵一
3
Yasuaki OKADA
1
,
Fumio FUKUDA
2
,
Keiichi YUMISASHI
3
1産業医科大学病院,外傷再建センター
2北九州総合病院,整形外科
3小波瀬病院,整形外科
pp.721-726
発行日 2024年5月1日
Published Date 2024/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000002997
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要旨:われわれは脆弱性骨盤輪骨折(FFPs)に対して仰臥位単純CTと側臥位単純CT(仰側臥位CT法)を施行し不安定性を評価してきた。その不安定性の評価方法について解説した。単純CTにてFFPsを認めた患者に,仰臥位単純CTに加えて健側である非骨折部を下として側臥位単純CTも施行する。単純CT軸位断像の仙骨翼幅差(SWD)を計測し仰臥位,側臥位での差を求めて評価した。また,3D-CTでの画像評価としてBlenderを用いて仰臥位単純3D-CT画像と側臥位単純3D-CT画像を重ね合わせて上前腸骨棘移動距離(SATD),下前腸骨棘の移動距離(IATD),恥骨骨折部の転位量差(PDD)を評価した。Rommens分類による比較検討の結果,FFP Type Ⅰa vs Type ⅡbではSWD,SATD,IATDで有意な差を認め,恥骨骨折に仙骨骨折を合併することで不安定性を認めた。FFP Type Ⅱb vs Type ⅣbではSWDに有意差があり不安定性を認め,手術適応のType ⅣbではSWDで不安定性がより強かった。また,側臥位CTにすることで仙骨の不顕性骨折の描出が可能であり,FFPのgradeが上昇した症例が存在した。仰側臥位CT法は不顕性骨折,不安定性,locationが評価可能であり有用である。
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