臨床経験
大腿骨転子部骨折の治療について
上平 用
1
,
古瀬 清夫
1
Mochiru KAMIHIRA
1
,
Kiyoo FURUSE
1
1鳥取大学医学部整形外科学教室
pp.807-813
発行日 1971年9月25日
Published Date 1971/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904597
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はじめに
転子部骨折とは,大腿骨頸部関節嚢外部から,小転子の約5cm末梢部位までの骨折を意味している.しかも骨折部特に内側骨皮質部(cortical buttress)が粉砕され不安定となりやすいので,内反変形治癒の傾向が強いこと,大腿骨頸部内側骨折(以下内側骨折と略す)にくらべ高齢者に発生し,長期臥床をよぎなくされ合併症を併発,不幸な転帰をとりがちなことなど,世界的に老齢人口がますます増加することと相まつて,治療上問題の多い骨折の一つである.
著者らは転子部骨折の治療成績を,おもにレ線学的に調査し,内固定法に関しいささかの知見を得たので報告する.
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